僕の熱情
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僕の叫びは、いつも君には届かない。 僕のありったけの熱情を込めて、大声を出すのに、君はいつも気づいてくれない。 声の限りに叫んでも。 君の元には届かない。 それでも僕は、身体の底から声を絞り出して叫び続ける。 この熱情が無意味であったとしても。 それでも、僕は声が枯れるまで叫び続ける。 君に気づいて欲しいから。 君に振り向いて欲しいから。 少女は、不意に何かに気づいて背後を振り返った。 そして、それを見ると大慌てで耳につけていたヘッドフォンを外し、「彼」の元へと駆け寄る。 少女がスイッチを押すと、「彼」の叫び声は止まった。 勢い良く湯気を噴き出す「彼」を見て、少女は頬をぽりぽりとかくと、苦笑を浮かべて呟いた。 「ヤカンかけてたの、また忘れちゃった……」 2005年11月20日 拍手御礼小説としてup |
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